駅弁専用の業務用食品容器に施されている工夫
駅弁という食べ物をご存じでしょうか。これは日本のみで販売をされている食べ物で、列車のなかで食べるのを前提としているお弁当です。日本では明治時代から大正時代にかけて発案をされたものです。2010年には国内の駅弁メーカーがフランス進出を果たし、今ではフランス・パリのリオン駅でも「EKIBEN」という名称でスタンド販売をされるようになりました。
焼き肉からシュウマイ、さらには炊き込みご飯など、各駅の名産品を使用したメニューで構成をされているのが特徴です。一度でも食べたことがあるという方であれば、あるポイントに気づかれたことと存じます。それは料理そのものの香りが一切しないという点です。通常料理というものは食材や調味料などの香りが強く発せられるものです。
ところが駅弁ではその匂いが一切しません。なぜ無臭となっているのでしょうか。その秘密を解き明かすカギとなるのが、専用の業務用食品容器です。先述したように、列車内で食べるのを前提としている弁当であるため、車両内で強い匂いを醸し出すのは避けないとけません。
ほかの乗客にも配慮をしている結果であり、専用の業務用食品容器には内部に匂いを吸収する特殊加工を施しているわけです。業務用だからこそその加工をすることができ、食品容器としての耐久度もとても高いものとなります。ワゴンで販売をするとき、何重にも重ねて持ち運ぶため、上から加わる力を分散させる構造になっています。